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待望の黒沢健一の新曲がiTunes store で配信されることとなった。ここ数年、様々なユニットで多彩な音楽性を撒き散らすように活動の幅を拡げてきた彼が、その原点であるソロに立ち返り、今度は一体どんな一面を見せてくれるのか非常に楽しみである。
それと同時に過去のソロアルバム作品3枚とシングル全曲、そしてcurve509 / SCIENCEMINISTRY / MOTORWORKS /健’z といったここ数年の彼の音楽活動の要となる音源も一挙に配信される事となった。
このページが、そういった彼の多岐にわたる活動をまとめ、なおかつ音源と共に非常にユニークな彼というアーティストの存在を知っていただくガイドライン、それと同時に今回配信となる各アルバムのライナーノーツのような役割になってもらえば幸いである。
大まかなヒストリー
高校在学中に結成していたバンドで作ったオリジナル曲のデモテープがレコード会社の目に留まり、弱冠19歳で作曲家としてプロデビュー。
様々なアーティストへの楽曲提供やラジオ番組のテーマ曲の製作に携わる。彼の作成したデモテープに入っていた彼自身のボーカルが音楽関係者の間で評判となり、周囲からアーティストとしての活動を勧められる。そして実弟黒沢秀樹と友人であった木下裕晴と共にL⇔Rを結成。ボーカリストとして、又ソングライターとして数々のヒット曲を世に送り出す。同時に他のアーティストへの楽曲提供も精力的におこなう。1998年L⇔Rは活動停止を表明し、同年、黒沢はソロとして音楽シーンに登場する。
1997年
1997年、人気グループとしてアルバムの製作に関してかなりの時間を掛けることを環境的に許されていたL⇔Rであったが、同時にバンドとしての完璧主義や一ミュージシャン的な向上心、出来上がった楽曲に対しての音楽的クオリティ等へのメンバーの妥協点が見えにくくなるいといった危険も孕んでいた。そういった中で製作が進行したL⇔Rの6枚目のアルバム「Doubt」は音楽的追求の過程で各メンバーの志向性の違いやバンドとして向かうべき音楽的方向性等の相違点がレコーディング作業中に露見する場面が多々あり、同時にそれは3人の個性的なミュージシャンの集合体だったL⇔Rを自然な形でソロ活動に向かわせる結果となる。
周りの状況も含め、緊張感が続いたレコーディングの反動もあったのだろうが黒沢は当初自らのソロアルバムをいわゆる商業スタジオでの作業を避け、ホーム・レコーディングの様な形で製作するというアイデアを持っていた。彼の敬愛するミュージシャンである、ザ・バンドやポール・マッカートニーがそうしたように、決して派手さはないが、装飾のない人の手で創られた温かみのあるサウンドで当時の殺伐とした状況に対抗しようとしたのかもしれないと、彼は当時のインタビューで答えている。